帰化
帰化申請の必要書類一覧|作成・収集する書類と集め方を解説
カテゴリ:帰化

「必要書類が多すぎて、何から手をつければよいのかわかりません」——帰化申請をご検討されている方から、このようなご相談を数多くいただきます。帰化申請は、住所地を管轄する法務局・地方法務局へ本人が出向いて書面で行う手続きで、提出書類は自分で作成するものと、役所・勤務先・本国などから収集するものに分かれます。実は、この2つに分けて考えるだけでも、準備の見通しはずいぶん立てやすくなるのです。この記事では、会社員の方を一般的なケースとして、帰化申請の必要書類一覧を「作成する書類」と「収集する書類」に整理し、何を・どこで・何年分そろえるのか、集める順番のポイントとあわせて解説します。
帰化申請の必要書類はどれくらい?まずは全体像をつかむ
結論から申し上げますと、単身の会社員の方であっても、帰化申請書類一式は100ページから200ページに及ぶこともあります。
そもそも、なぜ帰化申請ではこれほど多くの書類が必要になるのでしょうか。帰化は、日本国籍を取得する手続きです。そのため、住所・素行・生計といった帰化の条件を満たしていることを、申請する側が書面で証明しなければなりません。しかも、確認される範囲はご本人だけにとどまらず、生計を同じくするご家族や、過去数年分の納税・社会保険料の納付状況にまで及びます。必要書類の一つひとつは、その条件を裏づけるための資料だとお考えください。
その書類は、「自分で作成する書類」と「役所、勤務先、本国などから収集する書類」の大きく2つに分けることができます。一覧で見ると膨大になりますが、この2つに切り分けてしまえば、どこから手をつければよいのかが見えてきます。
帰化申請の主な提出書類は、次の15種類です。
- 帰化許可申請書(写真貼付)
- 親族の概要(日本・外国)
- 履歴書(その1・その2)
- 帰化の動機書
- 宣誓書
- 生計の概要(その1・その2)
- 事業の概要
- 国籍を証明する書類
- 身分関係を証明する書類
- 居住歴を証明する書類
- 運転記録を証明する書類
- 資産・収入等を証明する書類
- 納税を証明する書類
- 社会保険料の加入・納付を証明する書類
- その他(学歴・技能・資格など)を証明する書類
このうち1〜7が「自分で作成する書類」、8〜15が「役所、勤務先、本国などから収集する書類」にあたります。冒頭で100ページから200ページに及ぶとお伝えしたのは、これらの中に、家族の人数分や必要な年数分だけ通数が増えていくものがあるためです。単身の会社員の方であっても、必要な年数分をそろえるだけで書類の枚数は積み上がっていきます。
作成する書類
まずは、自分で作成する書類(1〜7)から見ていきましょう。作成する書類は、決められた様式に沿って自分で記入するものです。記載方法に迷う項目が多いうえ、複数の書類にまたがる記載内容に食い違いがないかというところまで確認されますので、慎重に作成しなければなりません。
それぞれの様式は次のとおりです。画像をクリックすると拡大表示できます。
なお、宣誓書は申請受付時に法務局から交付され、その場で担当者の面前で署名します。事前に作成して持参する必要はありません。
これらの様式は法務局のウェブサイトからダウンロードできます。
→帰化許可申請書類等の様式のダウンロード(東京法務局|外部サイト)はコチラ!
収集する書類|国籍・身分関係・居住歴・在留資格
ここまでは、自分で作成する書類を見てきました。ここからは、役所や勤務先、本国などから収集する書類をご紹介します。まずは、自分の国籍、自分と家族との身分関係、日本での居住歴を証明する書類です。本国から取り寄せるものが含まれるため、そろえるまでに最も時間がかかるものになります。
国籍を証明する書類
- 国籍証明書
└ 日本国内の大使館・領事館で取得
※発行の可否は日本国内の大使館・領事館にご確認ください。 - パスポートの写し(表紙、顔写真、シール・スタンプのある全ページ)
└ 手元の原本をコピー
※すでに失効しているものについても、手元に残っているものはすべて提出を求められます。
身分関係を証明する書類(本国)
- 出生証明書、婚姻証明書、離婚証明書、親族関係証明書など
└ 本国の役所または日本国内の大使館・領事館で取得
※国籍や家族構成などで必要になる書類が異なります。 - 父母が作成した申述書
└ 父母に作成してもらう
※自分の両親のあいだに生まれた子(自分を含めた兄弟姉妹)の続柄、氏名、生年月日、出生地を記載する書類になります。
身分関係を証明する書類(日本)
- 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍
└ 本籍地の市区町村役場で取得
※日本人の家族や日本に帰化した家族がいる場合に提出を求められます。 - 出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、養子縁組届、認知届、親権者変更届の記載事項証明書
└ 各届出を提出した市区町村役場で取得
※自分を含めた家族が日本の市区町村役場に各種届出をしている場合に提出を求められます。
居住歴を証明する書類
- 住民票の写し、住民票の除票の写し
└ それぞれの住所地の市区町村役場などで取得
※発行後3か月以内で個人番号(マイナンバー)及び住民票コードの記載が省略された世帯全員分のもの。なお、住民票の除票の写しは直近5年分を遡ってすべて取得してください。
在留資格を証明する書類
- 在留カード又は特別永住者証明書の写し(表裏両面)
└ 手元の原本をコピー
国籍や身分関係を証する書面(本国)は、原則として本国の官憲が発給したものが求められます。日本国内の大使館・領事館で取得できるものもあれば、本国の役所に請求しなければならないものもあり、国によっては取り寄せに数か月かかることもあります。日本国内で取得できる書類から先に集めてしまうと、本国書類を待っている間に有効期限が切れてしまうこともありますので、必要書類の準備は本国の書類から先に着手してください。
収集する書類|資産・収入・納税・社会保険関係
次は、資産と収入の状況、そして税金・社会保険料を遅滞なく納めてきたかを確認するための書類です。書類ごとに取得先が異なるうえ、必要になる年数もそれぞれ違いますので、収集にはどうしても手間がかかってしまいます。
※これらの書類は、原則として生計を同じくする世帯全員分が必要になります。
資産・収入等を証明する書類
- 源泉徴収票
└ 勤務先から発行/直近1年分 - 在勤及び給与証明書
└ 勤務先から発行(作成・押印)/直近1か月分
※「在勤及び給与証明書」の代わりに、勤務先から発行された「在職証明書」及び「給与明細(直近1か月分)」を提出しても差し支えありません。 - 預貯金通帳の写し
└ 手元の通帳をコピー
※預貯金通帳は、表紙、表紙の裏、記帳した全てのページが必要になります。ネットバンキングの場合は、銀行名、支店名、口座名義人、残高、直近1年分の入出金記録が記載されたページが必要になります。 - 所有不動産の登記事項証明書(不動産を所有している方)
└ 法務局で取得
※自宅のほか、投資用の物件も対象になります。 - 国外財産調書(国外財産の合計額が5,000万円を超える方)
└ 手元の控えをコピー
※税務署への提出義務がある場合のみ提出を求められます。
納税を証明する書類
- 住民税の課税証明書(又は非課税証明書)
└ 市区町村役場で取得/直近5年度分 - 住民税の納税証明書
└ 市区町村役場で取得/直近5年度分
※住民税が非課税の年度がある場合は、その年度の課税証明書及び納税証明書の代わりに非課税証明書の提出を求められます。
※市区町村役場の保存期間の関係で、5年度分の住民税の課税証明書及び納税証明書が取得できないことがあります。その場合の代替書類の扱いは管轄の法務局へご確認ください。 - 住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料
└ 住民税が預金口座から引き落とされている場合は預金通帳の写し、指定の機関(コンビニ等を含む)への納付の方法による場合は領収書(日付入りのもの)等/直近5年度分
※住民税を特別徴収(給与からの天引き)により納めている場合は提出不要です。 - 所得税の確定申告書(添付書類を含む)の控えの写し
└ e-Taxから印刷/直近1年分
※確定申告義務がある場合のみ提出を求められます。 - 所得税の納税証明書 その1、その2
└ 税務署で取得/直近3年分
※確定申告義務がある場合のみ提出を求められます。
社会保険料の加入・納付を証明する書類
- 健康保険資格確認書の写し(表裏両面)又は健康保険証(医療保険)の資格情報
└ 手元の原本をコピー
※マイナンバーカードを健康保険証として利用している方は、マイナポータル内の健康保険証の資格情報又は医療保険の資格情報を印刷したものを提出します。 - 被保険者記録照会回答票及び被保険者記録照会 納付Ⅰ・納付Ⅱ
└ 年金事務所で取得 - 国民健康保険料の納付証明書(国民健康保険に加入している方)
└ 市区町村役場で取得/直近2年分 - 後期高齢者医療保険料・介護保険料の納付証明書
└ 市区町村役場で取得/直近2年分
※後期高齢者医療保険は75歳以上の方、介護保険は65歳以上の方のみ納付証明書の提出を求められます。 - 社会保険料を適正な時期に納めていることを証する資料
└ 預金口座から引き落とされている場合は預金通帳の写し、指定の機関(コンビニ等を含む)への納付の方法による場合は領収書(日付入りのもの)等/直近2年分
※国民健康保険料、後期高齢者医療保険料(75歳以上の方)、介護保険料(65歳以上の方)について提出を求められます。
収集する書類|運転記録・学歴・その他
最後は、運転記録、学歴、技能、資格、住まいや通勤などに関する書類です。役所以外で取得しなければならないものが含まれるのが特徴です。
運転記録を証明する書類
- 運転記録証明書
└ 自動車安全運転センターで取得/直近5年分
※発行後2か月以内のものを提出しなければならないため、取得する時期に注意してください。 - 運転免許証の写し(表裏両面)
└ 手元の原本をコピー
学歴・技能・資格を証明する書類
- 最終学歴の卒業証明書(又は卒業証書の写し)
└ 卒業した学校で取得 - 技能・資格を証明する書類の写し
└ 各試験を実施する協会・団体等で取得
※外部の日本語試験(「日本語能力試験(JLPT)」や「J.TEST 実用日本語検定」等)やその他国家資格などの免許証や合格証明書が該当します。
※日本語能力試験(JLPT)については、合格通知書の写しでも差し支えありません。
住居・通勤に関する書類
- 賃貸借契約書の写し(賃貸に住んでいる方)
- 自宅・勤務先・通勤経路などの略図
※管轄の法務局によっては提出を求められないこともあります。
【2026年4月〜】必要書類で変わった点
2026年4月から納税・社会保険関係の必要書類に大きな変更がありました。古い情報がそのまま残っているサイトも少なくありませんので、変更前と変更後を並べて確認しておきましょう。
住民税の課税証明書(又は非課税証明書)……直近1年度分 → 直近5年度分
住民税の納税証明書……直近1年度分 → 直近5年度分
住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料……従来は不要 → 直近5年度分(新たに追加)
社会保険料の納付証明書(国民年金・国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険など)……直近1年分 → 直近2年分
社会保険料を適正な時期に納めていることを証する資料……従来は不要 → 直近2年分(新たに追加)
※住民税の課税証明書及び納税証明書は直近1年度分から直近5年度分へと対象年数が拡大されました。これに伴い、これまでよりも安定的かつ継続的に収入や納税の状況が良好であることが求められるようになったものと考えられます。
また、納税の状況については、未納がないことに加えて納付遅滞がないことまで求められます。新たに追加された必要書類のうち「適正な時期に納めていることを証明する資料」は、まさにこの点を確認するためのものです。
必要書類を準備するときの注意点
ここまでご紹介してきた書類をそろえていくうえで、実務上つまずきやすい点がいくつかあります。あとから取り直しになってしまわないよう、収集を始める前に目を通しておいてください。
外国語の書類には翻訳文が必要
外国語で作成された書面には、日本語の翻訳文(A4サイズ)を添付します。翻訳文には、翻訳者の住所・氏名及び翻訳年月日を記載しなければなりません。翻訳はご本人やご家族の方が行っても差し支えありませんが、原文に忠実な内容であることが前提になります。
有効期限に注意する
原則として、日本の公的機関から発行された書類は発行後3か月以内、本国の公的機関から発行された書類は発行後6か月以内が有効期限とされています。ただし、身分関係を証明する書類のように、時間の経過によって事実関係が変わらないものについては、有効期限を過ぎていても受理してもらえる法務局が多いです。一方、運転記録証明書、健康保険証の資格情報又は医療保険の資格情報、被保険者記録照会回答票及び被保険者記録照会 納付Ⅰ・納付Ⅱなどは、発行後2か月以内のものを提出するよう求められるのが一般的です。早い時期に取得してしまうと、ほかの書類がそろう前に有効期限が切れて取り直しになってしまいますので、有効期限の短い書類ほど後から取得するようにしてください。
提出は正本・副本の2部
提出書類は、正本(原本)及び副本(写し)の2部が必要になります。副本は正本をコピーしたもので差し支えありませんが、1部しか発行されず再発行もできない書類については、写し(コピー)を2部提出することになります。
写しを提出する書類は原本の持参が必要
パスポート、在留カード、預貯金通帳、運転免許証のように、写し(コピー)の提出を求められている書類については、原則として申請受付の際に原本を法務局へ持参し、担当官の原本照合を受けなければなりません。原本はその場で返却されますので、申請当日は写しの元になった原本を忘れずにお持ちください。
※個別・具体的な必要書類は国籍・職業・家族構成などそれぞれの状況により異なります。詳細は管轄の法務局や、サポートを依頼する専門の行政書士に必ずご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 必要書類は全部そろえてから法務局へ行くのですか?
A. いいえ。まずは管轄の法務局で初回相談(予約制)を受けてください。相談員の方から帰化についての説明と、ご自身の場合に必要となる書類の案内があり、そこから収集を始めるのが一般的な流れになります。なお、専門の行政書士にサポートをご依頼される場合は、特段の事情がない限り、初回相談の場で申請を受け付けてもらえるよう、事前にすべての必要書類をそろえるのが一般的です。
Q. 書類の収集から許可まで、どれくらいかかりますか?
A. 専門の行政書士にサポートをご依頼される場合は、全体で1年半〜2年が目安です。内訳は、書類の収集から申請受付までに数か月、申請受付から許可までに1年〜1年半程度です。なお、ご自身で申請準備を進める場合は、一般的に管轄の法務局で数回の相談・書類確認を受けてから申請受付となるため、全体で2年半〜3年程度かかってしまうことが多くなります。
Q. 提出した書類は返してもらえますか?
A. 申請を取り下げた場合には返却されますが、不許可となった場合には返却されません。申請前に帰化申請書類一式の写しを手元に残しておくとよいでしょう。
まとめ
帰化申請の必要書類は、自分で「作成する書類」と、役所・勤務先・本国などから「収集する書類」に分けて整理すると全体像がつかめます。主な必要書類は15種類ですが、実際には家族の人数分や必要な年数分だけ通数が増えていきますので、帰化申請書類一式は相当な分量になります。
2026年4月の運用見直しにより、住民税の課税証明書・納税証明書は直近1年度分から直近5年度分、社会保険料の納付証明書は直近1年分から直近2年分に確認範囲が広がりました。あわせて、住民税・社会保険料を適正な時期に納めていることを証明する資料も新たに必要になっています。単に納付が済んでいることではなく、その年数分を遅滞なく納めてきたかまで確認される点が以前との大きな違いになります。
必要書類の収集は、取得に時間のかかる本国の書類から着手するのが効率的です。ご自身で手続きを進める場合は、まず管轄の法務局で初回相談を受け、ご自身の場合に必要となる書類を確定させてから収集を始めてください。
帰化申請を専門家のサポートを受けて進めたいとお考えの方は、まず当事務所の無料相談でご自身の状況を確認してみてください。当事務所は東京・神奈川・千葉を中心に、Zoomでのオンライン相談にも対応しています。
あわせて読みたい
- お気軽にお問い合わせ下さい!
- 03-6868-7647
-
- 受付時間
- 10:00~19:00
- 土日祝休み







